高血圧
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高血圧とは

高血圧とは、身体が必要とする以上の血圧が持続している状態をいいます。一般的に140/90mmHg以上の血圧値が続く場合に高血圧と診断されます。高血圧は通常、表面的な症状が現れないため「静かな殺し屋(サイレントキラー)」とも呼ばれています。この状態が続くと血管壁が厚く硬くなり、動脈硬化を生じることになります。その結果、脳、心臓、腎臓、眼底などに障害を起こし、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、心不全、腎不全、眼底出血などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

対象のお悩み

当院で行う高血圧の治療内容

—高血圧診断・評価

高血圧診断・評価とは、血圧測定や各種検査を通じて高血圧の程度や原因を特定することです。
医療施設での測定で140/90mmHg以上、または家庭血圧計での測定で135/85mmHg以上が高血圧の基準となります。高血圧の初期段階では自覚症状はほとんどないため、定期的な測定が早期発見につながります。
また、心電図検査、血液検査、尿検査などを行い、高血圧による臓器障害や合併症の有無を確認します。さらに、特定健康診査でチェックされるメタボリック症候群の各要素(腹部肥満、耐糖能異常、脂質異常など)も評価し、総合的な心血管リスクを把握します。

—薬物療法

薬物療法とは、降圧薬を用いて血圧を適切な値に調整する治療法です。
目標血圧値は一般的に130/80mmHg未満とされますが、年齢や合併症の有無によって個別に設定します。適切な薬物療法により、脳卒中や心筋梗塞などの重大な合併症リスクを低減できます。 治療では、患者さんの状態に応じて、カルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬などから最適な降圧薬を選択します。副作用が少なく、24時間効果が持続する薬剤を中心に使用し、定期的な血圧測定と検査で効果を確認しながら調整していきます。

—生活習慣改善指導

生活習慣改善指導とは、高血圧の改善と予防のために必要な生活習慣の見直しをサポートすることです。
高血圧の多くは生活習慣と密接に関連しており、適切な改善により血圧を下げることができます。また、薬物療法と組み合わせることで、より効果的な血圧管理が可能になります。
指導では、以下の生活習慣の修正ポイントについて具体的なアドバイスを行います。

減塩:1日の塩分摂取量を6g未満に抑える
食事:野菜・果物を積極的に摂取し、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控え、魚(魚油)を積極的に摂取する
体重管理:適正体重の維持(BMIを25未満に)を心がける
運動:少し汗ばむ程度の有酸素運動を中心に、30分以上を目標に可能であれば毎日行う
節酒:1日の飲酒量を日本酒1合、ビール大瓶1本程度にとどめる
禁煙:喫煙者は禁煙する
また、食品の栄養成分表示を確認する際の注意点として、ナトリウム量から食塩相当量への換算方法(ナトリウム量(g)×2.54=食塩相当量(g))についても説明します。

—合併症予防・管理

合併症予防・管理とは、高血圧に関連する様々な合併症の発症や進行を防ぐための総合的な管理です。
高血圧は脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、心不全、腎不全、眼底出血、閉塞性動脈硬化症などの命に関わる、あるいは日常生活に大きな支障をきたす病気になる危険性を高めます。特に糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などを併発していると、さらに動脈硬化が進展します。
管理では、定期的な心電図検査、血液検査、腎機能検査などを実施し、合併症の早期発見に努めます。また、高血圧と同時に存在することの多い代謝異常も含めた包括的な治療を行い、総合的な心血管リスクの低減を目指します。

主な検査内容

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—血圧関連の検査

診察室血圧測定(上腕での標準的な血圧測定)
家庭血圧測定の指導と評価(135/85mmHg以上が高血圧の基準)
心電図検査(心臓の電気的活動を記録)
心臓超音波検査(心臓の大きさや機能を評価)
頸動脈エコー検査(頸部の動脈硬化の程度を評価)

—血液・尿検査

血液生化学検査(腎機能、電解質、脂質など)
尿検査(尿蛋白、尿潜血など腎障害の評価)
血糖検査(随時血糖、HbA1c)
炎症マーカー(CRPなど)
尿酸値測定(高尿酸血症の評価)
内分泌検査(二次性高血圧の原因検索)

—画像・機能検査

胸部レントゲン検査(心臓の大きさや肺の状態を確認)
腹部超音波検査(腎臓や副腎の状態を評価)
眼底検査(高血圧による網膜への影響を評価)
脈波伝播速度検査(動脈の硬さを評価)

—その他の検査

腹囲測定(メタボリック症候群の評価)
心血管リスク評価(フラミンガムリスクスコアなど)
睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング(高血圧との関連が強い)